横浜DeNAベイスターズ分析ブログ

簡潔にベイスターズを分析するブログです。Twitterで主に発信してますが、こちらのブログにも随時投稿していきます。

2021年De外国人選手入国問題について改訂

2022年シーズンに向けて春季キャンプが始まろうとしていますが、2021年シーズンの今頃と言えば、横浜DeNAベイスターズの外国人選手は入国できないことについて問題となっていました。


上記の記事にて、以下のように語られています。
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「入国後にビザを申請する「再入国」の方法を選択した場合、入国期限が設けられる。そのため球団側は所属の外国人選手たちへの〝配慮〟から一昨年11月の段階でビザを取得後に入国する形を選択していた。ところが新型コロナウイルスの感染が再拡大し、20年12月の時点でビザの波及が凍結してしまったことで結果論とはいえ、これが裏目に出る格好となってしまった。他の11球団は別の方法を選択していたため、DeNAはNPBで唯一、外国人不在で開幕を迎えることになった。」
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この件に対して、球団の怠慢などの批判の声は根強かったように思います。
確かに結果としてDeNAベイスターズだけ来日できなかったのであれば、そのような声が挙がるのは自然だと思います。
ただ、筆者としては以下の疑問が残っていました。


本当に怠慢だったのか?


結論を言うと、怠慢では無かったのでは?というのが筆者の見解です。
この件については、球団側は謝罪の意思を既に示しており今シーズンは既存の外国人選手については2月に開始されるキャンプまでに間に合う予定です。
なぜ今更?というのはご最もですが、ネット上などではいまだにそのことについて議論されることがあり、ありもしない憶測が飛んでしまっているのを度々見ることがあったため本記事の投稿に至りました。本記事の目的としては、そのような憶測を少しでも解消することです。


ここから下はかなり長いので、時間がある時に読む事をお勧めします。↓


昨シーズンの外国人選手が来日できなかったことについて球団側からはその経緯については多くは語られていませんが、その数少ない発言を切り取り改めて独自に分析しました。
あくまでも想像の範疇にはなってしまいますが、以下の過去記事について一部ミスリードがありました。本記事にて改訂、そしてなぜ怠慢ではないと思うのか?についての説明をしたいと思います。


では、上記の記事の何がミスリードだったのか?
それは、既にYahoo!ニュースのリンクからは削除されているのですが、三原球団代表は以下のような説明を2021年3月6日にしていました。
「入国するための手続きは大きく分けて2つある」
「(DeNAの外国人選手は)ビザを申請して取得して入国しようとしたが、12月末にビザ取得が凍結された。(他球団の外国人選手は)入国した後にビザを申請するやり方で入国したと思う」
「再入国だと入国に期限があるが、ビザを取得してからであればいつでも入国出来る」


筆者のミスリードは上記の緑字の部分。
当時のこの発言について筆者は以下のように説明しています。
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正直言うと、個人的にここが一番分からないです。
再入国許可の有効期間は在留期限を超えない範囲で最長「5年」となっております。
即ち、在留資格については球団側が1年しか申請していない可能性が浮上しました。
(噂レベルで1年しか申請しないというのは球団の方針と言う話があります。ソース記事を未だに見つけられていませんが、今回の三原球団代表の発言を聞くにその可能性は大いにあり得ると考えております。見つけ次第すぐに上げます。)
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投稿当時、筆者が言っていること自体は間違ってはいなかったのですが、三原球団代表の言っている再入国と筆者が思っている再入国に大きな食い違いがありました。


三原球団代表の言っている再入国:みなし再入国許可
筆者の思ってた再入国:再入国


これでは雲泥の違いです。筆者のミスリードと言っていいと思います。
ここにて改めてお詫びいたします。


改めて説明すると、6ヶ月以上の在留期間を認められた方は「みなし再入国許可制度」があり、許可を取らずに戻ってくることができます。通常、外国人選手は1年の在留期間はあると思われるので、三原球団代表の中での認識が再入国=みなし再入国だったということになります。当時筆者は三原球団代表の言葉をそのまま受け取ってしまったため、筆者は分からないの一言で一蹴していました。質問ができる状況であれば、していたのは言うまでもありません。


ということで、下記のように改訂させていただきます。


みなし再入国許可の有効期間は,出国の日から1年間です。
結果的に再入国については、有効期限を延ばすことができる救済措置が実施されました。しかし当時、救済措置されるという保証はありませんでした。
つまり、横浜DeNAベイスターズ球団は以下の2つの選択肢を迫られたのだと思います。


・再入国させるか?
・新規入国させるか?


新規入国することだけに視点を向けると、以下が挙げられます。
・VISAさえ取得していれば、入国後に在留資格を即座に得ることができる
・再入国までの有効期限が1年となる


選手と球団間の契約がどうなっていたのかは分かりませんが、再入国の有効期限がもし切れた場合、VISA申請から全て選手本人が入国管理局まで行ってイチからやり直さなければなりません。それにより、当然来日までに多くの時間がかかります。
当時を振り返るとシーズン開始時期が見えず、終わりの時期も見えない。もし、シーズン終了時期が大幅にずれ込んだ場合に有効期限が1年だとギリギリになる可能性もありました。当時のDeNA球団はそこまで考えた上で、再入国させるのではなく新規入国する決定の判断を下していたのかもしれません。そうすると、ある程度腑に落ちる部分があります。


そして、他にもまだあります。
当時のCovid-19の状況が日に日に悪くなっていったのは分かっていたことではありますが、入国についてはより多くの情報が飛び交っていたと想像されます。
再入国と新規入国どちらかを一方的に制限するという現在の形が本当に正しいのか?については置いといて、当時の状況でどちらになるかは過去の前例も無いため中々判断が難しくなります。
言うまでもなく再入国させるという選択が最も正解だった訳ですが、それは日本政府の裁量によって全てが決まったようなものです。今から振り返ってみると本来であれば外国人入国については新外国人、既存の外国人選手に関わらずNPB全体が主導となって対応すべき問題であったと筆者は思います。


上記の三原球団代表の発言より、再入国についての選択肢は当時あったというのが読み取れます。つまり、結果的には外国人の来日が遅れ裏目に出てしまいましたが、怠慢というのは過言であると筆者は結論付けます。


(最後に)
昨シーズンの外国人選手の入国についての改訂は以上となります。
今シーズンは再入国する方法に切り替えており、昨シーズンの失敗から学ぶことができています。通常のIT企業であればこのような事例が起こった場合、問題管理して失敗した原因やそこまでの判断に至る経緯などあらゆる多くの議論が既にされ尽くしたと想像されます。最も重要なのは失敗から多くを学ぶことであり、一番まずいのは失敗しても原因を追究せずまた同じ失敗を繰り返してしまう事です。
予め多くを予測して対策することが最も理想ですが、予期できないことも多くあるため、如何に上層部の判断が重要かつ、時に困難となるかがこの例だけをみても改めて分かります。