横浜DeNAベイスターズ分析ブログ

簡潔にベイスターズを分析するブログです。Twitterで主に発信してますが、こちらのブログにも随時投稿していきます。

横浜DeNAベイスターズの2022ドラフトについて

長かった2022年シーズンも横浜DeNAベイスターズのCS(クライマックスシリーズ)1st敗退と共に終焉を迎えました。そして、明日(10/20)にはドラフト会議が控えています。



■2022年のDeNAベイスターズのドラフト戦略
今年のドラフトは実力が秀でている選手は数人いるものの人数自体は限られていると言われています。
よって、選手を囲う意味も含めて10/19時点で1位指名を公言している球団が9球団と他球団との競合を避けさせるための駆け引きが既に行われています。
今年の横浜DeNAベイスターズはレギュラーシーズンで2位となったため、2巡目以降の指名順は10番目で最後から数えて3番目となります。(NPBはウェーバー指名となっており1年ごとにセ・パの指名が入れ替わり、今年はパ・リーグ球団からのスタートのため)
すなわち横浜DeNAベイスターズの場合は、2巡目に指名できる選手が他球団に比べ選択肢が大幅に減少してしまう事から1巡目に指名する選手の重要度は非常に高くなります
2巡目が早ければ、素材型を指名する余裕もありますが今年は10番目なので1巡目は一軍で早めに戦力となる投手・野手を指名すると予想されます。
また、裏を返すと3巡目は3番目と早く指名できるため、そこでは優位性を活かして他球団よりも選択肢が広がります
毎年DeNAベイスターズ球団はドラフト直前まで1位指名を決定しない慣習があり、19日に人まで絞り込んだとの報道がありました。指名人数は5~6人と例年と同じぐらいとのことです。


多くのスポーツ紙では大阪桐蔭高の松尾汐恩(まつお・しおん)捕手を1位指名する予想を立てています。ただ、今年は他にもドラフト候補が居るため、くじ引きに外れた場合に指名される可能性も十分あると考えています。また、捕手は最低でも1名は指名するという方針のようですが、どれだけ上位で指名されるかが注目されます。因みに捕手のドラフト1位となると、球団としては大洋ホエールズ時代となる1988年の谷繁捕手まで遡ります。。。


後日総括でも触れますが、2022年シーズンでは主に投手陣の奮闘が無ければ2位はまずありませんでした。
しかし、2022年シーズンチームに多くの課題を残しました。
・例年に比べ打線が低調(特にショート、キャッチャー、センター)
・先発投手陣の裏ローテの弱さの露呈(今シーズン日曜日に勝てない最大の要因)
・リーグ最多登板を独占した中継ぎ陣の蓄積疲労
・チーム盗塁数が少ない(CSでは特にここで両チームとの差が露呈。そもそも走れない選手が多い...。育成外野で村川選手、大橋選手が控えてはいるが...)
・二軍はイースタンリーグ最下位(40勝62敗勝率.392)かつ若手選手も伸びてきていない選手が多い


これらを踏まえると
二塁手以外全てのポジションが補強ポイント
と言うのが筆者の見方です。


↓以下のwRAA指標も参照


また、MLBへのポスティングが噂されている山﨑康晃投手や国内FAを取得している嶺井捕手、大田選手の動向によってもドラフト戦略が大幅に変わってくるため、チーム事情や数年後のビジョンを見据えながら明日最終ジャッジを下すものと思われます。
昨年も話しましたが、ドラフトは3年以上経たないで評価することはナンセンスです。それぐらいの長い目でまず見ていきたいところです。

速報:チーム非常事態(横浜DeNAベイスターズ)

4月6日(水)の阪神2回戦において延長12回の激闘の末、勝利を収めたのも束の間。
4月7日(木)において横浜DeNAベイスターズに悲報が流れました。


4月7日23時までに、柴田竜拓、斎藤隆 コーチ、戸柱恭孝、牧秀悟、倉本寿彦、山下幸輝 、神里和毅、濵口遥大、スタッフ3人と選手だけでも7人の新型コロナウイルス感染が発表されいます。(選手名の敬称略)


さらに、石田健大、大田泰示、桑原将志の3名についても同様に濃厚接触者疑いにより自主隔離となっています。
結果、合計10名が「特例2022」によって4月7日までに登録抹消となりました。
また、伊藤光捕手も4月6日の練習中に左脚の張りが強く出たため、上記の特例2022とは別に同日に登録抹消となっています。(昇格は益子選手)
これにより、4月7日に行われるはずだった阪神タイガース3回戦は16時15分頃に中止が発表されました。(同日に行われる予定だった横浜DeNAベイスターズのファームの試合も中止)


■これまでの公式戦中止の前例
<2020年 福岡ソフトバンク 1試合>
8月2日の1試合が中止となりました。
陽性者は選手1名でした。


<2021年 日本ハム 4試合>
5月2日、7日~9日、の4試合が中止となりました。
濃厚接触者含めると合計選手。一時チームが活動停止状態になりました。


<2021年 広島東洋カープ 5試合>
5月21日~5月26日、5試合が中止となりました。
濃厚接触者含めると合計11選手。一時チームが活動停止状態になりました。


<2022年 東北楽天ゴールデンイーグルス 2試合>
日本野球機構と新型コロナウイルス対策連絡会議の専門家と対応を協議した結果、
4月2日~3日、2試合が中止となりました。
合計選手が陽性となりました。


(最後に)
今後のチーム活動については4月8日の当日に判断するとの事ですが、これまでの中止になった前例を見るとさらに数試合が中止になる可能性があります。無論、これ以上の感染拡大となった場合、チームは一時的に活動停止となるかもしれません。少なくとも、ファーム(2軍)の試合催行はかなり厳しい状況になっていると考えています。
今回も恐らく、NPB(日本野球機構)と新型コロナウイルス対策連絡会議の専門家と対応を協議するものと思われます。
筆者としては、まずはこれ以上の感染拡大が起こらず、また罹患された方々の一日も早いご快復を願いたいと思います。

試合考察(開幕3連戦を終えての感想)

「横浜反撃」と謳って始まった2022年シーズン。まだ3戦目を終えた段階ではありますが、昨シーズンと同様に厳しい船出となってしまいました。
その最大の原因は昨シーズンと同様、開幕メンバーがちゃんと揃わなかったことにあります。
開幕投手候補だった今永投手を始め、ショートの開幕スタメンも十分あったであろう森敬斗選手、更には昨シーズンと同様に長打力のあるN.ソト選手、T.オースティン選手、オープン戦無失点だった三上投手の5名が離脱してしまいました。
勿論それによって、本来控え選手となっていたであろう楠本選手が活躍するなど希望の光はあります。更に、坂本投手も投球テンポやモーションを変えたりしてかなり工夫している様子が見られ、明らかに昨年よりも成長していました。
それとは別に、投手陣は昨シーズンと同様かなり厳しい状況が続きそうな状況になりつつあります。(3試合で21失点防御率8.33)
ですが、打撃陣は好調です。しかし、点を取っておきたいときにバントミスであったり進塁打が打てないなどの課題はまだまだこれからと言ったところではないでしょうか。
少なくとも昨シーズンと同じで投手陣が崩壊している現状では優勝というのはかなり難しくなるでしょう。また、守備面についてもエラーや目に見えないミスもあり余計な失点が目立ちます。


以下は、結果として裏目に出てしまった三浦監督?の采配の大きな分岐点について挙げておきます。(あくまでもこういう選択肢もあるんだという一つの参考意見として、掲示します)


■東投手が開幕投手?
東投手が開幕投手と言う一報を聞いたとき、筆者は驚きを隠しきれず以下の疑問が残っていました。
・TJ明けの東投手をなぜ開幕投手に指名したのか?
・OP戦の成績、内容から言っても大貫投手が一番相応しかったのではないか?


東投手はご存じの通り、2020年シーズンにTJ(トミー・ジョン)手術を受け昨シーズンの終盤に復帰しました。復帰後も先発した後は最低でも中10日以上は空けていました。
TJ手術した後でも、確かにある程度は球速が戻ります。しかし、完全に戻るのは実は2年目以降のケースが多いのです。東投手は実戦に完全復帰してからまだ半年ほどしかたっていません。新人王を獲得した2018年シーズンでは球速が140キロ台後半は出ていた時がありましたが、今の東投手は出ても145キロに満たない球速です。
その万全とは決して言えない状態で、開幕投手という大役を現段階で背負わせることはやはりリスクが大きかったのではないかと言うのが正直な感想です。寧ろ、オープン戦では殆ど登板しない時期があり、シーズン最初は中10日で回すものと思っていたほどです。
結果的に開幕戦では6回途中に左手中指の皮が捲れてしまい3/27に一度登録抹消となりました。余裕のあるチームであれば、中10日で回す選択肢がもしかしてあったかもしれませんがこういうところでも今永投手の離脱が響いているのかもしれません。


結果的に開幕第2戦に大貫投手が打たれてしまいましたが、オープン戦の内容からしても大貫投手が開幕投手に相応しいのではないかと筆者は思っていました。三浦監督は東投手のブルペンでの投球を見て判断したとの事ですが、実際のマウンドや雰囲気は全く違うものであり、今日の坂本投手もブルペンでは決して調子が良くない状態でもあれだけの投球をしていました。
また、大貫投手の投げた昨日は異常なまでの風が舞っていました。前日のカープ打線の勢いや味方のエラーなどもあり、不運だったと言っていいと思います。(そもそも開幕カードいずれの試合も運がないなという印象)
次回以降は流石に修正してくると思います。寧ろできないとチームの浮上はかなり厳しいものになります。


■勝っている時にキャッチャーはそんな簡単に代えるものではない
筆者が思っている個人的な持論です。3/27の場面で言うと、8回裏のチャンスの場面でほぼパーフェクトに抑えていた伊藤光捕手に代わって戸柱捕手が出てきた場面です。結果的に9回表の山崎康晃投手が西川選手に逆転タイムリーを打たれて痛い敗戦となりました。


勿論、簡単に代えるべきではなかったと思うのには理由があります。


それは、2009年5月7日のジャイアンツとの試合での事です。
横浜ベイスターズは大矢監督の第二次政権の時代ですが、当時のルーキーであった藤江投手が6回までジャイアンツ打線を4安打0点に抑えていました。キャッチャーはリードには定評があった細山田選手。3-0とリードしていた7回表に一死満塁で細山田選手に代打の佐伯選手が送られました。しかし、結果は内野ゴロ。その次の藤江投手には代打を送らず三振。
そして、出てきたのが当時ベテランの野口選手でした。その後、チームは痛い逆転負けをしてしまい藤江投手は初勝利を逃しました。(言うまでもなくここで勝っていたら藤江投手の後々の運命も変わっていたかもしれません・・・。)
その後、5月18日には当時の大矢監督の無期限休養、そしてそのまま退任となりました。その象徴的な試合として、今でも強く印象に残っています。

↑当時の藤江投手と細山田選手


上記の苦い経験があり、3/27の第3戦目のような勝っている時に安易にキャッチャーを代える采配は相手に流れを渡す采配になり得ると筆者は考えています。今年、就任した相川一軍バッテリーコーチは2008年にFAでヤクルトスワローズに移籍していたため、上記の出来事についてはおそらく知らないと思います。


ただ、今回のこの交代に至った背景はちゃんとあります。
伊藤光捕手は昨シーズン右肩のクリーニング手術を受けたこともあり、スローイングは決して強くありません。この試合でも上本選手に盗塁を決められていました。
よって、肩が強く盗塁阻止に定評のある戸柱捕手が起用されたのだと思います。さらに言うとブロッキングも上手いです。
別に戸柱捕手が悪いという話ではありません。ただ、これまで試合をリードしてきたのは伊藤光捕手であり8回までの打者の情報をより多く得ています。
これらの膨大な情報を他の捕手と完全に共有することはできません。よって、リードが変わってきてしまい自ら流れを変えてしまう大きな要因になってしまうのです。


采配などについては他にも気になったことを挙げればキリがないのですが、上記の2点が主に気になったことです。
ただ、今の現状は新戦力が全く機能しておらず、怪我人も多く居るため昨年の開幕時と大して変わっていません。よって、どれだけいい采配をしたところでさほど結果は変わらなかったと思います。そもそも、このカープ3連戦はどの試合も守備のミスがあまりにも多いです。
打撃は申し分ないレベルに達しつつある選手が多くなってきていると思いますが、優勝するためには走塁よりも守備の方が大きな課題になっていることが早くも浮き彫りになってきていると筆者は見ています。


最後に)勝つことも勿論大事ですが、とにかくまずは野球を楽しみましょう!!!